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「抜け毛が増えてきた気がする」「なにが原因なんだろう」。サロンでは、男性のお客様からも女性のお客様からも、よくこんなご相談をいただきます。
抜け毛の原因はひとつではなく、いくつかが重なり合っていることがほとんど。この記事では、美容師として1000人以上の頭皮を見てきた経験から、よく言われる8つの原因を、自分で対策できるものと医療機関に相談したほうがいいものに分けて解説します。

結論|ホルモンと遺伝は医療機関へ。それ以外は毎日の習慣で見直せる
- 自分では変えにくい:男性ホルモン(AGA)、遺伝 → 気になったら早めに皮膚科・クリニックへ
- 毎日の習慣で見直せる:栄養、皮脂と毛穴、頭皮のかたさ、ストレス、睡眠、頭皮環境
- どれか1つではなく、いくつかが重なっていることが多い
自分で対策できる度合い(美容師の目安・5段階)
※美容師の考えにもとづく目安です。ホルモンや遺伝が関わる薄毛は、医療機関で相談できる選択肢があります。
抜け毛の原因8つ|早見表
| 原因 | どんなこと? | 対策 | 相談先 |
|---|---|---|---|
| ① 男性ホルモン(AGA) | 成長期が短くなり、髪が細く短くなる | 早めに医療機関で相談 | 皮膚科・クリニック |
| ② 遺伝 | 薄毛になりやすい体質を受けつぐ | 気になったら早めに相談 | 皮膚科・クリニック |
| ③ 栄養の偏り | 髪の材料(たんぱく質・亜鉛など)が足りない | 主食・主菜・副菜をそろえる | 食事の見直し |
| ④ 皮脂と毛穴 | 皮脂やフケが残って頭皮環境が乱れる | 予洗い・すすぎを丁寧に | 美容師・皮膚科 |
| ⑤ 頭皮のかたさ | 頭皮がつっぱって動かない | マッサージでほぐす | セルフケア |
| ⑥ ストレス | 自律神経やホルモンのバランスが乱れる | 休む時間をつくる | つらいときは医療機関 |
| ⑦ 睡眠不足 | 体の回復の時間が足りない | 眠る時間とリズムを整える | 生活の見直し |
| ⑧ 頭皮環境(紫外線・洗い方) | 日焼けやこすりすぎで頭皮が荒れる | UV対策、やさしく洗う | セルフケア |
① 男性ホルモン(AGA)

男性の薄毛でいちばん多いのが男性型脱毛症(AGA)です。男性ホルモン(テストステロン)が、5αリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変わり、これが毛根に働きかけると、髪の成長期が短くなります。すると髪が十分に育つ前に抜けてしまい、だんだん細く短い毛が増えていきます。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 起こりやすい場所 | 生え際(おでこの両サイド)や頭頂部 |
| 進み方 | 少しずつ、何年もかけて進む |
| サイン | 抜け毛に細く短い毛が増える、髪のハリ・コシが減る |
| 女性の場合 | 女性型脱毛症(FAGA)と呼ばれ、頭頂部を中心に全体が薄くなりやすい |
AGAは、シャンプーやマッサージなどのヘアケアだけで止めることはむずかしいタイプです。一方で、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」でも取り上げられているように、医療機関で相談できる治療の選択肢があります。気になったら、早めに皮膚科や専門のクリニックで相談しましょう。どこに相談すればいいか迷ったら薄毛が気になったら、まずどこへ?、クリニックの選び方は薄毛治療クリニックの選び方5つのポイントで整理しています。
② 遺伝

髪の量や太さ、AGAになりやすい体質には遺伝も関わるといわれています。父方だけでなく、母方の家系の影響を受けることもあります。遺伝そのものは変えられませんが、「家族に薄毛の人が多いから」とあきらめる必要はありません。早めに気づいて、早めに相談することが大切です。
③ 栄養の偏り

髪の主成分はケラチンというたんぱく質。食べたものは心臓や脳など生きるために大切な場所へ優先して使われるので、栄養が足りないと髪は後回しになります。カップラーメンや揚げ物ばかり、急なダイエット…といった食生活が続くと、しっかりした髪が育ちにくくなります。
| 栄養素 | 髪とのかかわり | 多く含む食品 |
|---|---|---|
| たんぱく質 | 髪の主成分ケラチンの材料 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
| 亜鉛 | たんぱく質の合成を助ける | 牡蠣、牛肉、卵黄、大豆製品 |
| ビタミンA | 皮膚や粘膜の健康を保つ | うなぎ、にんじん、かぼちゃ、緑黄色野菜 |
| ビタミンB群 | 髪や頭皮の代謝を支える | 豚肉、納豆、レバー、ほうれん草 |
| 鉄 | 全身に酸素を運ぶ(特に女性は不足しやすい) | 赤身肉、あさり、小松菜 |
※成人のたんぱく質の推奨量は、男性65g・女性50g(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」18〜64歳)。
たんぱく質の1日の推奨量(18〜64歳)
④ 皮脂と毛穴の汚れ
皮脂は頭皮を守るために必要なものですが、多すぎたり、シャンプーのすすぎ残しやフケと混ざって残ったりすると、かゆみ・におい・炎症など頭皮環境が乱れる原因になります。油っぽい食事が多い、睡眠不足が続くといったことでも皮脂は増えやすくなります。
- 予洗いを1〜2分しっかり
- シャンプーは手で泡立てて、指の腹で洗う
- すすぎは洗った時間の2倍
- 皮脂が気になる方は、週1〜2回の炭酸クレンジングやサロンのヘッドスパも
炭酸ケアについては炭酸クレンジングシャンプーのメリット・デメリットでまとめています。
⑤ 頭皮のかたさ

頭皮がつっぱってかたくなっていると、頭皮の状態が乱れやすくなります。両手で頭の両サイドを押さえて上下に動かし、頭皮全体がよく動くか確かめてみましょう。かたいと感じたら、シャンプー中やお風呂上がりのマッサージでやさしくほぐすのがおすすめです。やり方は頭皮ケアのやり方と頭皮マッサージの手順で写真つきで紹介しています。
⑥ ストレス

強いストレスは、自律神経やホルモンのバランスを乱します。また、大きなストレスや体調の変化があった2〜3か月後に、抜け毛がまとめて増えることがあります(休止期脱毛症)。忙しい時期を乗り越えたあとに「最近抜け毛が…」とご相談いただくことも多いです。ストレスをゼロにするのはむずかしいので、休む時間を意識してつくることから始めましょう。
⑦ 睡眠不足

| 見直したいこと | やり方 |
|---|---|
| 寝る前の過ごし方 | 寝る1時間前にはスマホやパソコンから離れる |
| 起きる時間 | 休日も大きくずらさない |
| お風呂 | ぬるめのお湯につかって体をゆるめる |
| カフェイン | 午後からは控えめに |
⑧ 頭皮環境(紫外線・洗い方・まとめ髪)
分け目は真上から紫外線を浴びやすく、強い日焼けで頭皮が赤くなることも。ゴシゴシ洗いや熱いお湯、毎日同じ位置できつく結ぶまとめ髪も、頭皮の負担になります。紫外線対策は麦わら帽子がいちばん簡単、頭皮の状態の見方は自分でできる頭皮チェックで紹介しています。
男性と女性で、気をつけたい原因はちがう
| 男性に多い | 女性に多い | |
|---|---|---|
| おもな原因 | AGA(男性ホルモン・遺伝) | 産後・更年期のホルモン変化、鉄不足、ダイエット |
| 薄くなりやすい場所 | 生え際・頭頂部 | 分け目・頭頂部を中心に全体 |
| まず相談したいところ | 皮膚科・AGAクリニック | 皮膚科・婦人科・内科 |
女性の抜け毛については女性の抜け毛が急に増えた原因|見落としがちな10の要因で、セルフチェックとあわせてくわしく解説しています。

医療機関に相談したい目安
- 生え際が後退してきた、頭頂部の地肌が透けてきた
- 抜け毛に細く短い毛が増えている
- 円形に抜けている部分がある
- かゆみ・赤み・フケが続いている
- 抜け毛が多い状態が3か月以上続いている
育毛剤などの医薬部外品は、頭皮をすこやかに保つための毎日のケアの選択肢です。進行性の薄毛が気になる場合は、ケアとあわせて医療機関での相談も考えてください。市販の育毛剤を比べたい方はドンキで選ぶ育毛剤7選(男性)、女性用育毛剤10選(女性)もどうぞ。
「どのクリニックが自分に合うのかわからない」という方は、6つの質問に答えるだけで候補がわかる診断もどうぞ。
よくある質問
- Q. 1日に何本までなら抜けても大丈夫?
- A. 1日50〜100本ほどは、髪の自然な生え変わりの範囲とされています。本数より、数週間〜数か月続くか、細く短い毛が多いかを見てください。
- Q. 遺伝なら、あきらめるしかない?
- A. 遺伝そのものは変えられませんが、医療機関で相談できる選択肢があります。早めに相談するほど、対策を考えやすくなります。
- Q. シャンプーを変えれば抜け毛は減りますか?
- A. シャンプーだけで抜け毛の原因そのものが解決するとはいえません。ただ、合わないシャンプーでフケやかゆみが出ているなら、見直すことで頭皮が落ち着くことはあります。
- Q. 頭皮マッサージは意味がありますか?
- A. 頭皮をやわらかく保ち、リラックスする意味でおすすめです。頭皮マッサージで抜け毛は減る?もどうぞ。
まとめ|原因を知って、できることから始めよう
- 抜け毛の原因は1つではなく、いくつかが重なっていることが多い
- 男性ホルモン(AGA)と遺伝は、早めに医療機関へ相談
- 栄養・睡眠・皮脂・頭皮のかたさ・頭皮環境は、毎日の習慣で見直せる
- 1日50〜100本は自然な範囲。続く・細い毛が多いときは要注意
参考:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」/厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
この記事について
この記事は、美容師歴20年以上、サロンでの経験と、サロンで1000人以上の頭皮を見てきた経験と、薄毛・抜け毛に悩むお客様からのご相談をもとに書いています。美容の専門家と一緒に検証しています。製品の情報は2026年10月時点の公式サイトなどをもとにしています。使用感には個人差があります。頭皮や肌に合わない場合は使用を中止してください。



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