女性の抜け毛が急に増えたのはなぜ?見落としがちな原因10個とセルフチェック

髪質改善とヘアの疑問

うさに
うさに

主な抜け毛の他にのその他の、抜け毛の要因について案内していくよ。

主な抜け毛の要因については、前回案内したのでそのページも案内していくよ。


「最近、シャンプーのたびに排水口にたまる髪が増えた気がする」「ブラシについた毛の量を見て、ドキッとした」——。

サロンでお客さまの髪に触れていると、こうしたご相談は季節を問わず本当によくいただきます。そしてお話を伺っていくと、原因は年齢やホルモンだけでなく、食事や睡眠、毎日のヘアアレンジといった「意外なところ」に隠れていることが少なくありません。

この記事では、女性の抜け毛が急に増える原因を、よく知られたものから見落としやすいものまで整理しました。美容師として20年以上、頭皮と髪を見てきた経験と、学会や公的機関の資料をもとにまとめています。まずは焦らずに、ご自身の状態をいっしょに確認していきましょう。

この記事でわかること

  • 1日の抜け毛は何本くらいまでが目安なのか
  • 一時的な抜け毛か、進行性の薄毛かを見分けるポイント
  • 見落としがちな抜け毛の原因10個と、それぞれのサイン
  • 今日からできる対策と、皮膚科を受診する目安
HAIR
STYLIST

この記事を書いた人

美容師歴20年以上。都内のサロンで、抜け毛や頭皮の悩みを抱えるお客さま500名以上を担当してきました。「怖がらせず、でもごまかさず」を大切に、髪と頭皮のことをお伝えしています。

※この記事は、美容師としての経験と公的機関・学会の資料をもとにした一般的な情報です。医師による診断や治療の代わりにはなりません。症状が続くときは医療機関にご相談ください。

Chapter 01

まず確認:1日何本までの抜け毛なら正常?

結論

一般的に、1日50〜100本ほどの抜け毛は、髪の自然な生え変わりの範囲とされています。シャンプーやブラッシングのときにまとめて抜けるので多く見えやすいのですが、本数だけで「異常」と決めつけなくて大丈夫です。

わたしたちの頭には、およそ10万本の髪が生えています。髪は1本ずつ「伸びる → 成長が止まる → 抜ける → また生える」というサイクル(ヘアサイクル)をくり返していて、毎日一定の数が抜けては、新しい髪に入れ替わっているんです。

頭髪全体に占めるヘアサイクルの割合(目安)

成長期(2〜6年ほど髪が伸び続ける)約85〜90%
退行期(2〜3週間で成長がストップ)約1%
休止期(3〜4ヶ月後に自然に抜ける)約10〜15%

※期間や割合には個人差があります。一般的に、女性は男性より成長期が長い傾向があるといわれています。

つまり、健康な頭皮でも抜け毛は毎日起こっているもの。本数は日によって変わるので、下の図くらいのざっくりした目安で考えてみてください。

1日の抜け毛本数の目安イメージ

〜100本自然な生え変わりの範囲
100本〜一時的に増えることも
多い状態が続く原因を確かめたい

※本数は季節や体調、洗髪した日かどうかでも変わります。1日だけで判断せず、数日から数週間の変化で見るのがおすすめです。

美容師メモ|本数より見てほしい3つのサイン

  • 期間:いつもより明らかに多い状態が、数週間〜数ヶ月続いている
  • 地肌:分け目や頭頂部の地肌が、前より透けて見える
  • 毛の太さ:抜けた毛に、細くて短い毛がたくさん混じっている

サロンでは「抜け毛がすごく増えた」と心配されていても、地肌や毛の太さはしっかりしている…という方も少なくありません。反対に、本数はそれほど多くなくても細い毛が増えているなら、早めにケアや相談を考えると安心です。

抜け毛の量が気になるときは、シャンプー後の排水口や朝の枕など、毎回同じタイミングで数日間ようすを見るのがいちばんわかりやすい方法です。スマホで写真を残しておくと、あとで比べやすく、受診のときにも役立ちますよ。

「急に増えた」と感じたら、2〜3ヶ月前を思い出して

髪は、体に負担がかかったその瞬間ではなく、約2〜3ヶ月たってからまとめて抜けやすいという特徴があります。出産、高熱が出た風邪、急なダイエット、仕事や環境の大きな変化…。思い当たる出来事がないか、カレンダーをさかのぼってみてください。

Chapter 02

あなたの抜け毛はどのタイプ?30秒セルフチェック

女性の抜け毛は、大きく分けると「一時的に増えているタイプ」「少しずつ進行していくタイプ」の2つがあります。どちらに近いかで、ケアの方向性や相談先が変わるので、まずは当てはまるものを数えてみてください。

A一時的タイプのサイン

  • 2〜3ヶ月前に、出産・高熱・手術・急な減量・大きなストレスがあった
  • 頭全体から、まんべんなく抜けている
  • 抜けた毛は太さも長さもしっかりしていて、根元が白く丸い
  • 抜け毛は多いけれど、分け目の地肌はあまり変わらない
  • 夏の終わり〜秋など、時期的に増えた気がする

B進行性タイプのサイン

  • 抜け毛が多い状態が、半年以上続いている
  • 分け目や頭頂部の地肌が、前より透けて見える
  • 抜け毛に、細くて短い毛が多く混じっている
  • 髪1本1本が細くなり、ハリやコシが減った
  • 髪を結んだときの束が、前より細くなった

!ひとつでも当てはまったら、早めに受診を

  • コインのように、丸く地肌が見えている部分がある
  • 頭皮に強いかゆみ・赤み・痛み・ジュクジュクがある
  • 眉毛やまつげ、体毛も抜けている
  • 強いだるさ、動悸、急な体重の変化、むくみなど、体調の変化もある
チェック結果考えられることまずやりたいこと
Aが多い休止期脱毛症など、一時的な抜け毛の可能性生活を整えながらようすを見る。3ヶ月以上たっても落ち着かなければ相談を
Bが多い女性型脱毛症(FAGA)など、進行性の可能性早めに皮膚科へ。早く相談するほど、対策を考えやすくなります
AとBの両方いくつかの原因が重なっていることも気になるサインが続くなら、一度皮膚科で相談を
「!」に該当円形脱毛症、皮膚炎、甲状腺の病気などの可能性自己流のケアで様子見せず、医療機関へ
※セルフチェックはあくまで目安で、診断ではありません。

一時的な抜け毛によくある特徴

一時的に抜け毛が増える代表が、「休止期脱毛症」と呼ばれる状態です。体に大きな負担がかかると、本来はまだ伸び続けるはずだった髪がいっせいに「休止期」へ入り、数ヶ月後にまとめて抜け落ちます。

  1. きっかけ出産、高熱を伴う感染症、手術、急なダイエット、強いストレス、薬の飲み始めや中止など
  2. 約2〜3ヶ月後シャンプーやブラッシングのときに、抜け毛がはっきり増えてくる
  3. 抜け毛が多い時期頭全体からまんべんなく抜ける。根元が白く丸い「休止期の毛」が多いのが特徴
  4. 約6ヶ月前後きっかけが落ち着いていれば、少しずつ抜け毛も減っていくことが多い
  5. その後生え際や分け目に、短い新しい毛がピョコピョコと立ちはじめる

ここで大切なのは、原因と抜け毛のあいだに数ヶ月の時間差があるということ。「特に何もしていないのに、急に抜けはじめた」と感じるのは、このためなんです。

美容師メモ|抜けた毛の「根元」を見てみて

抜けた毛の根元が、白っぽくマッチ棒のように丸くふくらんでいれば、寿命を迎えて自然に抜けた毛です。反対に、根元のふくらみがなく途中でプツッと切れている毛は、抜け毛ではなく「切れ毛」。こちらはダメージが原因のことが多く、対策も変わってきます(くわしくは原因7で説明しています)。

進行性の薄毛によくある特徴

一方で進行性の薄毛は、ある日突然というより「気づいたら少しずつ」変わっていくのが特徴です。代表的なのは、このあと説明する女性型脱毛症(FAGA)。抜け毛の本数よりも、髪が細く短くなって、全体のボリュームが減っていくという形で表れやすいんです。

比べるポイント一時的な抜け毛進行性の薄毛
始まり方「急に増えた」とはっきり感じやすい数年かけて、少しずつ
抜ける場所頭全体からまんべんなく頭頂部・分け目が中心
抜ける毛太くて長い毛が多い細く短い毛が混じる
地肌の見え方大きくは変わりにくい分け目が広がって見える
期間の目安半年前後で落ち着くことが多い自然には戻りにくい
相談先長引くときは皮膚科早めに皮膚科
※一般的な傾向です。両方が同時に起きていることもあります。

美容師メモ|変化に気づくための「分け目写真」

進行性の薄毛は、毎日鏡を見ていると気づきにくいもの。月に1回、同じ場所・同じ明るさ・同じ分け目で頭頂部の写真を撮っておくと、変化がとてもわかりやすくなります。受診のときに見せると、先生にも経過が伝わりやすいですよ。

Chapter 03

女性に多い「よく知られた」抜け毛の原因

女性の髪は、女性ホルモン(エストロゲン)に支えられている面があります。そのため、ホルモンが大きく変わるライフステージでは、抜け毛や髪質にも変化が出やすくなります。まずは、よく知られている3つの原因から見ていきましょう。

原因起こりやすい時期主な特徴
産後の抜け毛産後2〜3ヶ月ごろ〜全体的に抜けるが、一時的なことが多い
更年期の変化40代後半〜50代髪が細くなり、ボリュームやツヤが減る
女性型脱毛症(FAGA)年代を問わず、加齢とともに増える頭頂部を中心に、ゆっくり薄くなる

産後の抜け毛(分娩後脱毛症)

妊娠中は女性ホルモンが増えるため、本来なら抜けるはずの髪も「成長期」にとどまりやすくなります。ところが出産後、ホルモンの量が急にもとに戻ると、とどまっていた髪がいっせいに休止期へ。こうして産後2〜3ヶ月ごろから抜け毛が増え、多くは産後半年〜1年ほどで落ち着いていくとされています。医学的には「分娩後脱毛症」と呼ばれ、休止期脱毛症のひとつです。

時期髪の状態の目安
妊娠中抜け毛が減り、ボリュームを感じる方も
産後2〜3ヶ月ごろ抜け毛が目立ちはじめる
産後3〜4ヶ月ごろ抜け毛のピークを感じる方が多い
産後半年〜1年ごろ徐々に落ち着き、短い新しい毛が生えてくる
※個人差があります。

産後の抜け毛が長引くときは

産後は、授乳や出産時の出血による鉄不足、夜間授乳による睡眠不足が重なりやすい時期。また、出産後の数ヶ月間に甲状腺の働きが一時的に乱れる「産後甲状腺炎」が起こることもあります。産後1年を過ぎても抜け毛が続く、強いだるさや動悸があるといった場合は、「産後だから」と我慢せず相談してみてください。

美容師メモ|生え際のピョコピョコ毛は回復のサイン

産後しばらくすると、生え際や分け目に短い毛がツンツン立ってくることがあります。まとまりにくくて気になりますが、これは新しい髪が育ってきている証拠。前髪や顔まわりに少し長さの違うカットを入れると、なじんで目立ちにくくなりますよ。

更年期とホルモンバランスの変化

40代後半から50代にかけては、閉経に向かって女性ホルモンが大きく減っていきます。すると髪の成長期が短くなりやすく、「抜け毛が増えた」というより「髪が細くなった」「ボリュームが出ない」という変化として感じる方が多いんです。

  • 髪が細く、やわらかくなってハリ・コシが出にくい
  • うねりやパサつきが増え、ツヤが出にくい
  • 分け目や頭頂部の地肌が目立つようになった
  • ほてり、寝つきの悪さ、気分のゆらぎなど、ほかの不調もある

更年期の髪の変化は、ほてりや不眠などの症状とセットで起こることも少なくありません。つらい症状があるときは、婦人科で更年期の相談をすると、体全体の不調をふくめて向き合いやすくなります。

美容師メモ|「髪質が変わった」は大事なサイン

40代後半のお客さまから「最近スタイリングが決まらない」「前と同じカットなのにペタンとする」と言われることがよくあります。これは髪質の変化によるものがほとんど。長さを少し変えたり、トップに軽さを出したりするだけで、印象はぐっと明るくなります。

FAGA(女性男性型脱毛症)

FAGA(Female Androgenetic Alopecia)は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは「女性型脱毛症」と呼ばれています。男性の薄毛(AGA)と名前は似ていますが、表れ方はかなり違います。

比べるポイント女性型脱毛症(FAGA)男性型脱毛症(AGA)
薄くなる場所頭頂部を中心に、全体的に生え際や頭頂部
生え際保たれることが多い後退しやすい
進み方髪が細くなり、ゆっくり進む部分的にはっきり薄くなりやすい
関わる要因男性ホルモンのほか、加齢・遺伝など複数の要因が考えられている男性ホルモンと遺伝の影響が大きい

女性型脱毛症でよく見られるのは、次のようなサインです。

  • 分け目が、前に向かって三角形(クリスマスツリーのような形)に広がって見える
  • 頭頂部の地肌が、光の下で透けて見える
  • 抜け毛や残っている髪に、細くて短い毛が増えている

女性型脱毛症は、自然にもとに戻ることが期待しにくいタイプです。一方で、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」では、女性に対してミノキシジル外用薬が推奨度Aとされるなど、医療機関で相談できる選択肢があります。「もしかして」と思ったら、ひとりで悩みすぎず、早めに皮膚科で相談してみてくださいね。

Chapter 04

見落としがちな抜け毛の原因10選

「年齢のせいかな」「ホルモンの問題かな」と思っていたら、実はまったく別のところに原因があった——。サロンでお話を伺っていると、こうしたケースは本当によくあります。しかも抜け毛の原因はひとつとは限らず、いくつかが重なっていることも多いんです。

ここでは、見落としやすい10の原因を、サインと相談先といっしょにまとめました。気になるものから読んでみてください。

No.原因こんなサインがあったら主な相談先
1鉄不足・かくれ貧血疲れやすい、爪が割れやすい、月経量が多い内科・婦人科
2ダイエット・たんぱく質不足数ヶ月で体重が急に減った、食事量が少ない食事の見直し・内科
3甲状腺の不調だるさ、むくみ、動悸、体重の変化内科・内分泌内科
4睡眠不足・自律神経の乱れ寝つきが悪い、忙しさやストレスが続いている生活の見直し
5牽引性脱毛症いつも同じ位置で結ぶ、エクステをしている美容師・皮膚科
6頭皮の乾燥・脂漏性皮膚炎フケ、かゆみ、赤み、ベタつき皮膚科
7カラー・ブリーチ・パーマ施術中にしみる、切れ毛が多い美容師・かぶれは皮膚科
8ピルや常用薬薬を飲み始めた・やめた・変えた処方医・薬剤師
9紫外線分け目の日焼け、頭皮の赤みや皮むけUV対策
10季節性の抜け毛夏の終わり〜秋に増えるようすを見る
CAUSE 01

鉄不足・かくれ貧血

月経のある女性は、毎月の出血で鉄を失いやすく、気づかないうちに鉄が足りなくなっていることが少なくありません。鉄は全身に酸素を運ぶために欠かせない栄養素。髪は生命の維持に直接かかわらないぶん、不足の影響が表れやすいと考えられています。

注意したいのが、「かくれ貧血(潜在性鉄欠乏)」です。血液中のヘモグロビンの値は正常でも、体にためておく鉄(貯蔵鉄=フェリチン)が減っている状態のこと。一般的な健康診断ではフェリチンまで測らないことが多いので、「健診では問題なかった」という方でも、鉄が足りていない可能性があるんです。

1日に必要な鉄の量と、実際にとれている量

推奨量(月経あり・18〜29歳)10.0mg
推奨量(月経あり・30〜49歳)10.5mg
20〜40代女性の平均摂取量約6〜7mg

出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」「国民健康・栄養調査」をもとに作成

推奨量に対して、実際の摂取量は6割ほど。「普通に食べているつもり」でも、足りていない方が多いのが現状です。

こんな方は鉄不足に気をつけて

  • 月経の量が多い、期間が長い
  • 疲れやすい、階段で息切れする、立ちくらみがある
  • 爪が薄くて割れやすい、反り返ってきた
  • 氷をガリガリ食べたくなる
  • 朝食を抜きがち、肉や魚をあまり食べない

美容師メモ|血液検査では「フェリチン」も

気になる方は、内科や婦人科で「抜け毛が気になるので、フェリチンも測ってほしい」と伝えてみてください。また、月経量が多い背景に子宮筋腫などが隠れていることもあるので、婦人科の受診もひとつの選択肢です。鉄のサプリメントは体質や持病によって合わないこともあるため、自己判断で長く飲み続けるより、一度相談してからが安心です。

CAUSE 02

過度なダイエットとたんぱく質不足

髪の主成分は、ケラチンというたんぱく質です。食事の量を急に減らすと、体は心臓や脳など生きるために大切な場所へ栄養を優先して回すため、髪への供給は後回しになってしまいます。

その結果、急な減量から2〜3ヶ月ほどたって、抜け毛がどっと増えることがあります。休止期脱毛症の典型的なきっかけのひとつです。最近多いのは、糖質オフで主食を抜いた結果、全体のエネルギーやたんぱく質まで足りなくなっているケース。「食べる量を減らしただけ」のつもりが、髪にとっては大きな負担になっていることもあるんです。

成人女性のたんぱく質の推奨量は、1日50g(日本人の食事摂取基準2025年版)。身近な食品だと、これくらいの量が目安です。

食品目安量たんぱく質
鶏むね肉(皮なし)100g約23g
1切れ(80g)約18g
木綿豆腐1/2丁(150g)約10g
納豆1パック(45g)約7g
牛乳コップ1杯(200ml)約7g
1個(50g)約6g
※文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」をもとにした概算です。

美容師メモ|毎食「手のひら1枚分」を意識して

むずかしく考えなくても、1食につき手のひら1枚分くらいの肉・魚・卵・大豆製品をとるように意識するだけで、ずいぶん違ってきます。体重を落としたいときも、急がずゆるやかなペースで。髪のためにも、そのほうが結果的にきれいが続きますよ。

CAUSE 03

甲状腺の不調

のどぼとけの下にある甲状腺は、全身の代謝をつかさどるホルモンを出している臓器です。このホルモンは髪の成長にもかかわっていて、多すぎても少なすぎても、抜け毛の原因になることがあります。

甲状腺の病気は女性に多いことが知られていますが、症状が「疲れ」「更年期」「年齢のせい」と重なりやすく、見過ごされがちです。

比べるポイント働きが弱まる
(甲状腺機能低下症・橋本病など)
働きが強まる
(甲状腺機能亢進症・バセドウ病など)
体の変化だるさ、寒がり、むくみ、体重が増える、便秘動悸、暑がり・汗をかく、体重が減る、手のふるえ
髪・肌の変化髪のパサつき、抜け毛、肌の乾燥抜け毛、髪が細くやわらかくなる
相談先内科・内分泌内科(血液検査で調べられます)

抜け毛に加えて、上のような体の変化がいくつかあるときや、首の前側が腫れているように感じるときは、内科で相談してみてください。甲状腺の働きは血液検査で調べることができます。

CAUSE 04

睡眠不足と自律神経の乱れ

髪をつくる細胞は、眠っているあいだに分泌される成長ホルモンなどの影響を受けています。以前は「22時〜2時は肌と髪のゴールデンタイム」とよくいわれていましたが、今は時間帯そのものより、寝ついてから最初に訪れる深い眠りの質が大切と考えられています。

また、強いストレスや生活リズムの乱れは、休止期脱毛症のきっかけになることもあります。睡眠が足りないと食欲やホルモンのバランスも崩れやすく、ほかの原因と重なって抜け毛につながりやすいんです。

眠りの質を整えるためにできること

  • 寝る1時間前には、スマホやパソコンから離れる
  • 休日も、起きる時間を大きくずらさない
  • ぬるめのお湯に浸かって、体をゆるめる
  • カフェインは午後から控えめにする

美容師メモ|繁忙期の「数ヶ月後」に増える抜け毛

決算期や引っ越し、介護など、忙しい時期を乗り越えたあとに「最近、抜け毛が増えて…」とサロンでご相談いただくことがよくあります。ちょうど数ヶ月の時間差で表れるので、原因と結びつきにくいんですね。なお、丸く抜ける「円形脱毛症」は、ストレスだけでなく免疫の働きが関係していると考えられているので、見つけたら皮膚科へ行きましょう。

CAUSE 05

ポニーテールやエクステによる牽引性脱毛症

牽引性脱毛症は、髪が長いあいだ強く引っ張られることで、毛根に負担がかかって起こる抜け毛です。美容師として、実はいちばん「見落とされているな」と感じる原因のひとつ。生え際、こめかみ、分け目など、引っ張られやすい場所から薄くなるのが特徴です。

牽引性脱毛症につながりやすい習慣

  • 毎日、同じ位置でキツめのポニーテールやおだんごにしている
  • 編み込みやコーンロウを長期間続けている
  • エクステやシールエクステを、休まず付け続けている
  • 前髪をピンやクリップで、きつく留めるクセがある
  • いつも同じ分け目で、同じ方向に引っ張って結んでいる

早い段階でヘアスタイルを見直せば、回復が期待できることが多いといわれています。ただ、何年も同じ負担をかけ続けると、毛根がダメージを受けて生えにくくなることもあるので、「最近、生え際が薄くなったかも」と感じたら、早めに見直してみてください。

美容師メモ|結ぶ位置は毎日すこしずつ変えて

お仕事でまとめ髪が必須の方も多いですよね。そんなときは、結ぶ高さを日によって変えるゴムはシュシュやスパイラルゴムなど締めつけの少ないものにする帰宅したらすぐほどくだけでも負担はかなり減らせます。エクステは付け替えのタイミングで休む期間をつくると安心です。

CAUSE 06

頭皮の乾燥・脂漏性皮膚炎

頭皮は、顔の肌とひと続きです。乾燥しすぎても、皮脂が多すぎても不安定になり、かゆみでかいてしまう → 頭皮が傷つく → 髪にも負担がかかるという流れが起こりやすくなります。

とくに注意したいのが脂漏性皮膚炎。皮脂の多い場所に起こる皮膚炎で、肌にもともといる常在菌(マラセチア)がかかわっていると考えられています。フケの様子で、ある程度タイプの見当をつけることができます。

比べるポイント乾燥タイプ脂っぽいタイプ
(脂漏性皮膚炎の可能性)
フケの見た目白く細かく、パラパラ落ちる黄色っぽく大きめで、しっとりベタつく
頭皮の状態つっぱり感、かゆみ赤み、かゆみ、においが気になることも
起こりやすい時期秋冬、エアコンの効いた室内汗や皮脂が増える時期、睡眠不足やストレスが続くとき
見直したいこと熱すぎるお湯を避け、洗浄力のやさしいシャンプーにすすぎを丁寧に。赤みやかゆみが続くなら皮膚科へ
※あくまで目安です。自己判断がむずかしい場合は皮膚科で相談しましょう。

美容師メモ|「洗いすぎ」も「洗わなさすぎ」も逆効果

フケが気になって1日に2回シャンプーする方もいれば、抜け毛が怖くて洗う回数を減らす方もいます。でも、どちらも頭皮のバランスを崩しやすいんです。基本は1日1回、やさしく洗ってしっかりすすぐこと。脂漏性皮膚炎は皮膚科で治療できるので、赤みやかゆみが長引くなら早めに受診してください。

CAUSE 07

カラー・ブリーチ・パーマのダメージ

意外に思われるかもしれませんが、カラーやパーマの薬剤は主に「髪」に働くもので、毛根から抜ける抜け毛の直接の原因になることは多くありません。ただし、次の2つのルートで「抜け毛が増えた」と感じることがあります。

  • ダメージによる「切れ毛」が増える:ブリーチやくり返しのカラー、アイロンの熱で髪がもろくなり、途中から切れてしまう
  • 薬剤で頭皮がかぶれる(接触皮膚炎):強い炎症が起きると、頭皮環境が悪くなり抜け毛につながることも

排水口の毛が「抜け毛」なのか「切れ毛」なのかは、次のポイントで見分けられます。

見分けるポイント抜け毛切れ毛
根元白く丸いふくらみがあるふくらみがない
長さ伸ばしている長さとほぼ同じ短い、長さがバラバラ
切り口毛先は自然に細くなっているギザギザ、白っぽく裂けている
主な原因ヘアサイクル、体調、ホルモンなどカラー・ブリーチ・熱などのダメージ

ヘアカラーによる「かぶれ」に注意

ヘアカラー(酸化染毛剤)は、これまで大丈夫だった方でも、ある日突然かぶれるようになることがあります。セルフカラーの場合は毎回パッチテスト(48時間)を行いましょう。染めている最中や後に、かゆみ・赤み・腫れが出たらすぐに使用をやめ、皮膚科を受診してください。かぶれたまま染め続けると、症状が重くなることがあります。

美容師メモ|サロンで相談してほしいこと

抜け毛や頭皮が気になるときは、遠慮なく担当の美容師に伝えてください。地肌に薬剤をつけない塗り方にしたり、ブリーチとパーマを同じ日にしない毛先に薬剤を重ねずリタッチ中心にするなど、できる工夫はたくさんあります。

CAUSE 08

ピルや常用薬の影響

お薬の中には、副作用として抜け毛が報告されているものがあります。女性に身近なのは低用量ピル。飲み始めの時期や、服用をやめたあとのホルモンの変化で、一時的に抜け毛が増えることがあるといわれています。やめたあとは、産後と少し似た状態になるイメージです。

薬の種類
ホルモンに関わる薬低用量ピル(飲み始め・中止後)など
血液を固まりにくくする薬抗凝固薬の一部
心の不調に使う薬一部の抗うつ薬・気分安定薬
血圧・心臓の薬β遮断薬の一部
皮膚の治療薬ビタミンA誘導体(レチノイド)の飲み薬
※抜け毛との関連が報告されている薬の一例です。すべての人に起こるわけではありません。

自己判断でやめないでください

「この薬のせいかも」と思っても、自己判断で中止するのは危険です。薬を飲み始めた・やめた・変えた時期と、抜け毛が増えた時期(その2〜3ヶ月後)を照らし合わせたうえで、お薬手帳を持って処方した医師や薬剤師に相談しましょう。

CAUSE 09

紫外線による頭皮ダメージ

頭頂部や分け目は、体の中でいちばん太陽に近く、紫外線を真上から浴びやすい場所です。それなのに、顔のように日焼け止めを塗る習慣はほとんどありませんよね。

強い日焼けをすると、頭皮にも赤み・乾燥・皮むけが起こります。炎症が起きた頭皮は、髪にとって心地よい環境とはいえません。さらに紫外線は髪の表面も傷めるので、パサつき、切れ毛、カラーの色あせにもつながります。

頭皮の紫外線対策

  • 日差しの強い時間帯は、帽子や日傘を使う(帽子は蒸れたらこまめに外して)
  • 分け目をときどき変えて、同じ場所ばかり日に当てない
  • 髪・頭皮に使えるUVスプレーを取り入れる
  • 日焼けしたあとは、熱いお湯やゴシゴシ洗いを避ける

美容師メモ|夏の終わりの「分け目」をチェック

夏のあいだずっと同じ分け目だった方は、シャンプー台でその部分だけ地肌が赤っぽくなっていることがよくあります。日焼けした分け目は地肌が目立ちやすく、薄くなったように見えることも。秋口に分け目を変えるだけでも、印象がふんわり変わりますよ。

CAUSE 10

季節性の抜け毛(秋に増えるのはなぜ?)

「秋になると抜け毛が増える」というのは、美容師のあいだでもよく話題になります。実際に、スイスで800人以上の女性を6年間にわたって調べた研究では、休止期に入る髪の割合が夏にもっとも高くなるという結果が報告されています。休止期の髪は数ヶ月かけて抜けていくため、夏から秋にかけて抜け毛を感じやすいと考えられているんです。

さらに夏は、紫外線、汗と皮脂、冷房による乾燥、夏バテによる食欲低下や寝不足など、頭皮と体に負担が重なりやすい季節でもあります。

  1. 6〜8月紫外線・汗・冷房・夏バテで、頭皮と体に負担がたまりやすい
  2. 9〜11月抜け毛が増えたと感じやすい時期
  3. 12月以降生活が整っていれば、落ち着いていくことが多い

季節のせい、と決めつけないで

季節性の抜け毛は一時的なことがほとんどです。ただ、冬を過ぎても抜け毛が続く地肌が透けてきたという場合は、ほかの原因が隠れているかもしれません。セルフチェックをもう一度見直して、必要なら皮膚科で相談しましょう。

Chapter 05

原因別|今日から始められる対策

抜け毛の対策で大切なのは、原因にあったことを、焦らず続けること。髪はヘアサイクルにそって生え変わるので、何かを見直しても、変化を感じるまでには少なくとも3〜6ヶ月ほどかかります。「すぐに効果が出ない」と落ち込まず、長い目で向き合っていきましょう。

主な原因今日からできることあわせて考えたいこと
鉄不足・たんぱく質不足・ダイエット食事の内容と量を見直す血液検査で不足を確かめる
睡眠不足・ストレス寝る前の過ごし方と起床時間を整えるつらさが続くなら医療機関へ
頭皮の乾燥・フケ・かゆみシャンプーとドライヤーの方法を見直す赤みやかゆみが続くなら皮膚科
牽引・ダメージ・紫外線髪型、施術の頻度、UV対策を見直す美容師に相談する
ホルモン・甲状腺・薬体調の変化をメモしておく婦人科・内科・処方医に相談

食事で見直したい栄養素

髪は、毎日の食事からつくられています。特定の食品だけをたくさん食べるより、主食・主菜・副菜をそろえて、たんぱく質とミネラルをしっかりとることを意識してみてください。

栄養素髪との関わり多く含む食品
たんぱく質髪の主成分・ケラチンの材料になる肉、魚、卵、大豆製品、乳製品
全身に酸素を運ぶ。不足は抜け毛の一因に赤身肉、レバー、あさり、かつお、小松菜
亜鉛たんぱく質の合成にかかわる牡蠣、牛肉、卵黄、カシューナッツ
ビタミンB群皮膚や髪の代謝を支える豚肉、魚、卵、納豆、玄米
ビタミンC植物性食品の鉄の吸収を助けるブロッコリー、パプリカ、キウイ、いちご

美容師メモ|鉄を上手にとる小さなコツ

  • 肉や魚に含まれる鉄(ヘム鉄)は、体に吸収されやすい
  • 小松菜やほうれん草などの鉄は、ビタミンCといっしょにとる
  • 食事中や食後すぐの濃いお茶・コーヒーは、少し時間をずらす
  • サプリメントは「食事で足りない分を補うもの」と考える

シャンプー・ドライヤーの正しい手順

毎日のシャンプーは、頭皮環境を整えるいちばん身近なケアです。サロンでお伝えしている手順をまとめました。

  1. 乾いた状態でブラッシング絡まりをほどき、ホコリや汚れを浮かせます。毛先から少しずつとかすのがポイント。
  2. 38℃前後のぬるま湯で、1〜2分しっかり予洗い汚れの多くは、お湯だけでも落とせます。熱すぎるお湯は乾燥のもとに。
  3. シャンプーは手のひらで泡立ててから原液を直接頭皮につけると、すすぎ残しや刺激の原因になります。
  4. 指の腹で、頭皮を動かすように洗う爪は立てずに。生え際、耳の後ろ、えり足も忘れずに。
  5. すすぎは、洗った時間の2倍を目安にすすぎ残しは、かゆみやフケにつながります。
  6. タオルで押さえるように水気をとるゴシゴシこすると、濡れてやわらかくなった髪が傷みます。
  7. 根元から、すぐに乾かすドライヤーは20cmほど離して、最後は冷風で。生乾きのまま寝るのは避けましょう。

美容師メモ|シャンプーで抜ける毛は怖がらなくて大丈夫

シャンプー中に抜ける毛は、もともと抜ける準備ができていた休止期の毛です。洗ったせいで抜けたわけではありません。抜けるのが怖くて洗う回数を減らすと、皮脂や汚れがたまって、かえって頭皮環境が乱れやすくなります。1日の汚れを落とせる夜のシャンプーがおすすめです。

頭皮用のアイテムを取り入れたいときは、「なんとなく良さそう」ではなく、成分表示や使い心地を確かめてから選ぶのが大切です。わたしが実際に使ってみた感想や、手に取りやすい育毛剤の比較は、こちらの記事にまとめています。

美容師レビュー【美容師が使ってみた】スカルプD スカルプトニックジェットの正直な感想|使用感と効果的な使い方 比較ランキングドンキで選ぶ育毛剤7選!コスパ、性能でランキング

※育毛剤などの医薬部外品は、頭皮をすこやかに保つための「毎日のケア」の選択肢です。病気としての脱毛症を治療するものではないので、進行性の薄毛が気になる場合は、皮膚科での相談もあわせて考えてみてください。

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髪型・ヘアアレンジの工夫

毎日のヘアスタイルは、頭皮への負担にも、見た目のボリューム感にも大きく影響します。

頭皮にやさしいヘアアレンジのコツ

  • 分け目は1〜2ヶ月に一度、少しずらす(ジグザグに分けるのもおすすめ)
  • 結ぶときはゆるめに。結ぶ高さを日によって変える
  • 家に帰ったら髪をほどいて、頭皮を休ませる
  • 寝るときは結ばない。濡れたまま寝ない
  • エクステは、付け替えのタイミングで休む期間をつくる

美容師メモ|ボリュームが気になるときのサロンでの相談ポイント

  • トップに短めのレイヤーを入れて、根元が立ち上がりやすくする
  • 分け目をぼかすカットで、地肌の線を目立ちにくくする
  • ほんのり明るめのカラーで、髪と地肌の色の差をやわらげる
  • ドライヤーは分け目と反対方向から根元に風を当てると、ふんわりしやすい

「抜け毛が気になっていて」とひと言伝えてもらえれば、美容師はその前提でスタイルを考えられます。恥ずかしがらずに相談してくださいね。

Chapter 06

こんな抜け毛は皮膚科へ|受診の目安

抜け毛の多くは一時的なものですが、なかには治療が必要な病気が隠れていることもあります。「このくらいで病院に行ってもいいのかな」と迷う方も多いのですが、抜け毛や薄毛は、皮膚科で相談できるれっきとした症状です。次のようなサインがあれば、受診を考えてみてください。

!受診を考えたいサイン

  • 抜け毛が増えてから3ヶ月以上たっても、落ち着く気配がない
  • 分け目や頭頂部の地肌が、透けて見えるようになってきた
  • 円形やまだらに、髪が抜けている部分がある
  • 頭皮のかゆみ・赤み・痛み・フケが続いている
  • 眉毛やまつげ、体毛も抜ける
  • だるさ、動悸、体重の変化、月経の乱れなど、体調の変化もある

相談先に迷ったら、まずは皮膚科へ。気になる症状によっては、婦人科や内科のほうが相談しやすいこともあります。

気になること相談先主な内容の例
抜け毛・薄毛全般、円形脱毛症、頭皮の炎症皮膚科頭皮や毛の状態の観察、必要に応じて血液検査
産後・更年期、月経不順、月経量が多い、ピル婦人科ホルモンの変化や貧血の相談
だるさ・動悸・むくみ・体重の変化内科・内分泌内科甲状腺の働きや貧血の血液検査
※医療機関によって対応は異なります。事前にホームページなどで確認すると安心です。

薄毛専門のクリニックは自費診療が中心のところも多いため、まず原因を調べたい場合は、一般の皮膚科から相談するのもひとつの方法です。脱毛症の診療に力を入れている皮膚科を選ぶと、より安心ですね。

受診のときに伝えるとスムーズなこと

  • 抜け毛が増えたと感じたのは、いつごろからか
  • その2〜3ヶ月前に、出産・発熱・ダイエット・強いストレスなどがあったか
  • 飲んでいる薬やサプリメント(お薬手帳があれば持参)
  • 月経の周期や量の変化
  • 抜け毛や分け目の写真(経過がわかると伝わりやすい)

Q&A

よくある質問

抜け毛は何ヶ月くらいで元に戻りますか?

休止期脱毛症のような一時的な抜け毛なら、きっかけが落ち着いてから半年前後で減っていくことが多いとされています。産後の場合は、産後半年〜1年ほどが目安です。ただし、抜け毛が減っても、新しい髪が伸びてボリュームを感じられるまでにはさらに時間がかかります(髪が伸びるのは1ヶ月に約1cmが目安)。半年以上続く場合は、皮膚科で相談してみてください。

抜け毛が気になったら、何科に行けばいいですか?

まずは皮膚科が基本です。産後や更年期、ピルの服用、月経量が多いといった心当たりがあれば婦人科、だるさや動悸、体重の変化などがあれば内科・内分泌内科も選択肢になります。

シャンプーを変えれば、抜け毛は減りますか?

シャンプーは頭皮と髪を清潔に保つためのもので、シャンプーを変えるだけで抜け毛の原因そのものが解決するとはいえません。ただ、洗浄力が合わずにフケやかゆみが出ている場合は、見直すことで頭皮の状態が落ち着くことはあります。

毎日シャンプーすると、抜け毛が増えますか?

洗うことで抜け毛が増えるわけではありません。シャンプー中に抜けるのは、すでに抜ける準備ができていた毛です。むしろ洗う間隔を空けすぎると、皮脂や汚れがたまって頭皮環境が乱れやすくなるので、1日1回やさしく洗うのがおすすめです。

抜け毛が気になるとき、カラーやパーマはお休みしたほうがいい?

頭皮に赤み・かゆみ・かぶれがあるときは、お休みしてください。頭皮トラブルがなければ、必ずしもやめる必要はありません。担当の美容師に「抜け毛が気になっている」と伝えて、地肌に薬剤をつけない塗り方や、施術の間隔を相談してみましょう。

女性が育毛剤やスカルプケアアイテムを使ってもいいですか?

女性向け・男女兼用として販売されているものであれば使えます。使う前にパッケージの対象や使用上の注意を確認し、赤みやかゆみが出たら使用を中止してください。進行性の薄毛が気になる場合は、ケアとあわせて皮膚科での相談も考えてみてください。

20代でも、急に抜け毛が増えることはありますか?

あります。20代は、無理なダイエット、鉄不足、睡眠不足、きつめのまとめ髪やエクステ、ブリーチのくり返しなどが原因になりやすい年代です。この記事の「見落としがちな原因10選」を参考に、生活を振り返ってみてください。

サプリメントを飲めば、抜け毛は改善しますか?

鉄やたんぱく質などの不足が原因であれば、補うことが役立つ可能性はあります。ただ、サプリメントだけで抜け毛が改善するとはいいきれません。まずは食事を見直し、鉄などは血液検査で不足を確かめてからとり入れると安心です。

Summary

まとめ

女性の抜け毛が急に増えたときは、年齢やホルモンだけでなく、食事、睡眠、ヘアアレンジ、頭皮の状態、飲んでいる薬など、さまざまな原因が考えられます。そして多くの場合、抜け毛はきっかけから数ヶ月遅れて表れます。

この記事のポイント

  • 1日50〜100本ほどの抜け毛は、自然な生え変わりの範囲
  • 「急に増えた」と感じたら、2〜3ヶ月前の出来事を振り返る
  • 本数よりも「続いている期間」「地肌の透け感」「細い毛の増加」をチェック
  • 鉄不足、甲状腺、牽引性脱毛症、頭皮トラブルなど、見落としがちな原因も多い
  • 3ヶ月以上続く、地肌が透ける、円形に抜けるときは皮膚科へ

抜け毛が増えると、鏡を見るたびに気持ちまで沈んでしまいますよね。でも、原因の見当がつけば、できることは意外とたくさんあります。焦らずに、食事や睡眠、毎日のシャンプーなど、できることからひとつずつ始めてみてください。

そして、気になるときはひとりで抱え込まず、皮膚科の先生や、いつも担当してくれる美容師にも気軽に相談してくださいね。髪と頭皮の変化にいちばん早く気づけるのは、実はいつも触れているわたしたち美容師だったりもするんです。

頭皮ケアアイテムの選び方や、実際に使ってみた感想はこちらの記事でも詳しくまとめています。

美容師レビュー【美容師が使ってみた】スカルプD スカルプトニックジェットの正直な感想|使用感と効果的な使い方 比較ランキングドンキで選ぶ育毛剤7選!コスパ、性能でランキング

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参考資料

  • 日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
  • 厚生労働省「国民健康・栄養調査」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」
  • Kunz M, et al. Seasonality of hair shedding in healthy women complaining of hair loss. Dermatology. 2009.

※この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の症状の診断や治療を行うものではありません。抜け毛や頭皮の症状が続く場合は、医療機関にご相談ください。


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