パーマやブローでクセがつくしくみ|髪の4つの結合(水素・イオン・SS・ペプチド)を美容師がやさしく解説

髪質改善とヘアの疑問

※本記事にはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

雨の日にブローが取れてしまう、パーマがすぐゆるむ…。髪の形が変わったり戻ったりするのには、ちゃんと理由があります。

髪の中では、たんぱく質どうしが4種類の「結合」でつながっています。ブローもパーマも、この結合を切って、形を変えて、つなぎ直すことでクセをつけているんです。この記事では、美容師がサロンで意識している4つの結合のしくみを、やさしく解説します。

ロールブラシとドライヤーでブローしている様子
ブローは、水素結合の性質を利用してクセをつけている
4種類髪の中の結合
4.5〜5.5髪にいちばんいいpH
約2割パーマで切るSS結合の目安
0ペプチド結合は元に戻らない

※パーマで切るSS結合の割合は、一般的に言われている目安です。

結論|ブローは「水素結合」、パーマは「SS結合」でクセをつけている

美容師のまとめ
  • 水素結合:水で切れて、乾かすとつながる。ブローやアイロンのクセはこれ
  • イオン結合:pHのバランスがくずれると切れる。弱酸性に戻すと安定する
  • SS結合(シスチン結合):パーマ液で切って、つなぎ直す。パーマや縮毛矯正はこれ
  • ペプチド結合:髪の骨組み。切れると元に戻らず、切れ毛や枝毛になる

髪の4つの結合|早見表

結合切れるものつながるもの関わること
水素結合水(濡らす)乾かすブロー、アイロン、寝ぐせ、湿気でのうねり
イオン結合(塩結合)pHが弱酸性から離れる(アルカリ・強い酸)弱酸性に戻すカラー・パーマ後のゴワつき、後処理
SS結合(シスチン結合)パーマ液の1剤(還元剤)パーマ液の2剤(酸化剤)パーマ、縮毛矯正
ペプチド結合強いダメージ(薬剤・熱・摩擦のくり返し)元に戻らない切れ毛、枝毛

クセの持ちの目安

ブロー・アイロン(水素結合)次に濡れるまで
パーマ(SS結合)約2〜3か月
縮毛矯正(SS結合)かけた部分はずっと

※一般的な目安です。髪質、ダメージ、毎日のケアで変わります。縮毛矯正も、新しく伸びてきた根元にはかかっていません。

① 水素結合|ブローやアイロンでクセがつくしくみ

水素結合は、髪が濡れると切れて、乾くとつながる結合です。カットの前に髪を濡らすのは、水素結合が切れて髪がやわらかくなり、切りやすくなるからです。

ブローもこの性質を使っています。髪を濡らしていったん水素結合を切り、ブラシで形をつけながらドライヤーで乾かすと、その形のまま結合がつながります。逆に言えば、湿気や汗で水分を含むと、またクセが戻ってしまうということ。雨の日にブローが取れやすいのはこのためです。

  1. 根元までしっかり濡らす(水素結合を切る)
  2. 根元から乾かし、ブラシで毛流れをつける
  3. 形をつけたまま、最後まで乾かしきる(水素結合をつなぐ)
  4. 冷風を当てて熱を取り、形を落ち着かせる
風になびくまとめ髪
湿気や汗で水分を含むと、水素結合が切れてクセが戻りやすい
美容師の実感

ブローは「何度で何分」と数字で決められないぶん、経験がものを言う技術です。年配のベテラン美容師さんにブローがうまい方が多いのは、髪の乾き具合を手の感覚でつかんでいるから。おうちでのブローは、まず根元から乾かしきることを意識してみてください。

② イオン結合|pHのバランスで強さが変わる

イオン結合は、プラスとマイナスの電気が引き合ってできる結合です。健康な髪は弱酸性(pH4.5〜5.5)で、このときにいちばん安定しています。カラーやパーマの薬剤はアルカリ性なので、施術中はpHが弱酸性から離れ、イオン結合がゆるみます。

施術のあとに髪がゴワついたり、まとまりにくかったりするのは、髪がアルカリに傾いたままだから。美容室の後処理で弱酸性に戻すことが大切です。pHのくわしい話は髪の毛とpHの関係、施術後のケアはカラー・パーマ後2週間のヘアケアで解説しています。

③ SS結合(シスチン結合)|パーマや縮毛矯正のしくみ

パーマ時の髪の状態の図(ストレート・1液・2液)
1液でSS結合を切り(軟化)、ロッドで曲げた形のまま2液でつなぎ直す

SS結合は、髪のたんぱく質に含まれるシスチンどうしの強い結合です。水では切れないので、パーマや縮毛矯正では薬剤を使います。

工程髪の中で起きていること
1剤(還元剤)をつけるSS結合を切る。髪がやわらかくなる(軟化)
ロッドに巻く/アイロンでのばす切れた状態のまま、髪を新しい形にする
2剤(酸化剤)をつける新しい形のまま、SS結合をつなぎ直す

美容師がパーマ中に髪をさわって確かめているのは、どのくらい軟化したか(SS結合が切れたか)のチェックです。ただし、パーマで切れるのは髪全体のSS結合の一部(2割ほどと言われます)。切りすぎると髪が傷み、足りないとかからない。この見きわめが美容師の腕です。

△ パーマをかけた日にシャンプーすると、カールがゆるみやすい

◎ 2剤でつなぎ直したSS結合は、当日はまだ落ち着いていません。パーマの当日〜翌日はシャンプーを控えると、持ちがよくなります。

ゆるいウェーブの長い髪
パーマのカールは、SS結合をつなぎ直した形

④ ペプチド結合|切れたら戻らない「髪の骨組み」

ペプチド結合は、アミノ酸どうしをつないでたんぱく質そのものをつくっている結合です。髪の骨組みのような存在で、髪の命と言われることもあります。

カラーやパーマ、熱、摩擦のダメージが重なると、このペプチド結合まで切れてしまいます。切れ毛や枝毛は、ペプチド結合が切れたサイン。ほかの3つと違って元には戻らないので、傷んだ部分はカットするしかありません。

毛先の枝毛を気にする女性のイラスト
枝毛・切れ毛は、たんぱく質の骨組みが切れたサイン

切れ毛と枝毛の違いは枝毛と切れ毛の原因の違い、自分の髪の傷み具合は髪のダメージの見分け方で確かめられます。

クセを長持ちさせる、毎日のコツ

したいことコツ関わる結合
ブローを長持ちさせたい根元から乾かしきる。最後に冷風。湿気の多い日はオイルやスプレーで表面をカバー水素結合
パーマを長持ちさせたい当日〜翌日はシャンプーを控える。乾かすときはカールを手で包むようにSS結合
ゴワつきを防ぎたい施術後は美容室の後処理を。自宅では洗浄力のおだやかなシャンプーをイオン結合
切れ毛・枝毛を防ぎたいぬれた髪をこすらない。アイロンは低めの温度で短くペプチド結合

よくある質問

Q. 雨の日にうねるのはなぜ?
A. 空気中の水分で水素結合が切れて、もとのクセの形に戻ろうとするからです。乾かしきってから、表面をオイルなどでカバーすると湿気を受けにくくなります。
Q. 縮毛矯正のあとに、パーマはかけられる?
A. 縮毛矯正もSS結合を切ってつなぎ直しているため、同じ部分にウェーブパーマをかけるのは難しく、ダメージのリスクも高くなります。必ず美容師に履歴を伝えて相談してください。
Q. トリートメントで切れ毛は治る?
A. ペプチド結合は元に戻らないので、切れた部分が治ることはありません。トリートメントは手ざわりを整えたり、これ以上の傷みを防いだりするためのものです。
Q. 自分の髪がパーマにかかりやすいか知りたい
A. 髪の太さやキューティクルの枚数で変わります。日本人の髪質とカラー・パーマの時間で解説しています。

まとめ|結合のしくみを知ると、ブローもパーマも長持ちする

この記事のポイント
  • 髪の中には、水素・イオン・SS・ペプチドの4つの結合がある
  • ブローは水素結合、パーマや縮毛矯正はSS結合を切ってつなぎ直している
  • 湿気でクセが戻るのは水素結合のせい。乾かしきるのがコツ
  • ペプチド結合は切れると戻らない。切れ毛・枝毛はカットを

この記事について
この記事は、美容師歴20年以上、サロンでの経験と、サロンでパーマ・縮毛矯正・ブローをしてきた経験をもとに書いています。美容の専門家と一緒に検証しています。製品の情報は2026年10月時点の公式サイトなどをもとにしています。使用感には個人差があります。頭皮や肌に合わない場合は使用を中止してください。

▶ 執筆者・監修について

コメント

タイトルとURLをコピーしました