AGA治療中でもカラー・パーマはできる?美容師が施術側から正直に解説

頭皮・育毛ケア総評

「AGAの治療を始めたけど、カラーってしてもいいのかな」
「パーマをかけたいけど、薬を使っているから不安で……」

サロンでも、少し言いにくそうにご相談いただくことがあります。治療のことを美容師に伝えるのは、勇気がいりますよね。

この記事は、実際に施術をする美容師の立場から書いています。治療の効果や薬の話ではなく、美容室で何が起きるのか、私たちが何を見ているのか、どう伝えていただければいいのか——そこをお伝えします。

お読みいただければ、次に美容室へ行くとき、少し気持ちが軽くなると思います。

  1. 結論:どちらもできます。ただ、伝えてほしいことがあります
    1. カラーもパーマも、治療の妨げにはなりません
    2. ただし、頭皮が荒れているときは別です
  2. 美容師が本当に見ているのは、薬ではなく「頭皮」です
    1. 施術の前に、必ず頭皮を見ています
    2. 塗り薬を使っている方は、とくに注意して見ています
    3. 「言わなくても見ればわかるのでは」と思われるかもしれませんが
  3. 美容師に、これだけは伝えてください
    1. 言いにくい方へ|そのまま使っていただける伝え方
    2. 逆に、伝えなくていいこと
  4. 施術当日に、していただきたいこと
    1. 塗り薬は、当日の朝は塗らずにお越しください
    2. 前日のシャンプーは、ゴシゴシしないでください
    3. 施術のあと、いつから薬を再開するか
    4. 当日の流れをまとめると
  5. 治療で生えてきた髪は、扱いが変わります
    1. 新しく生えてきた毛は、細くてやわらかい
    2. カラーは入りやすく、そして抜けやすい
    3. パーマは、かかりにくいことがあります
    4. だから、来店のたびに髪を見せていただきたいんです
    5. 美容師側が実際にしている調整
  6. 薄毛が目立ちにくいカラーの選び方
    1. 真っ黒にすると、かえって地肌が目立ちます
    2. では明るくすればいいのか、というとそれも違います
    3. 目安は、落ち着いたブラウン
    4. 色味は、肌の色に近いほうがなじみます
    5. ハイライトという手もあります
    6. 白髪染めをされている方の場合
  7. パーマで薄毛はカバーできますか?
    1. ボリュームを出す目的なら、有効です
    2. ただし、髪への負担は増えます
    3. かけるなら、この3つを守ってください
    4. パーマをかけずにボリュームを出す方法もあります
  8. こういうときは、施術を見送ってください
    1. 頭皮に赤み・かさぶた・強いかゆみがあるとき
    2. 治療を始めて間もない時期
    3. 前回しみた記憶が新しいとき
    4. 縮毛矯正を考えている方へ
    5. 迷ったときの判断のしかた
  9. これから治療を始めようか迷っている方へ
    1. カラーやパーマを理由に、治療をためらわないでください
    2. 通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります
  10. よくある質問
  11. まとめ|遠慮せず、伝えてください
    1. この記事のポイント
    2. 最後に

結論:どちらもできます。ただ、伝えてほしいことがあります

AGA治療中でも、ヘアカラーもパーマも受けていただけます。治療をしているからという理由で、おしゃれを我慢する必要はありません。

ただし条件がひとつあります。頭皮の状態によっては、その日は見送ったほうがいい場合があるということです。

そして私たち美容師がいちばん知りたいのは、「どんな薬を使っているか」よりも「いま頭皮がどんな状態か」です。ここを共有していただけると、安心して施術ができます。

カラーもパーマも、治療の妨げにはなりません

まず安心していただきたいのですが、ヘアカラーやパーマが薄毛の直接の原因になるわけではありません。そして、治療そのものを邪魔するものでもありません。

髪のおしゃれを楽しむことと、治療を続けることは、両立できます。実際、治療をしながら定期的にカラーをされている方はたくさんいらっしゃいます。

ただし、頭皮が荒れているときは別です

カラー剤もパーマ剤も、頭皮にとってはやさしいものではありません。健康な頭皮なら問題なく施術できますが、赤みやかさぶた、強いかゆみがあるときは話が変わります。

とくに塗り薬を使っている方は、薬の影響で頭皮が乾燥したり、敏感になっていることがあります。その状態で薬剤が触れると、しみたり、ひりひりすることがあるんです。

この記事でお伝えすること 薬の効果や治療の内容については、専門ではないので触れません。お伝えするのは「美容室側から見た、治療中の髪と頭皮の扱い方」だけです。治療に関する判断は、必ず主治医の先生にご確認ください。

ここから、順番に具体的なお話をしていきます。

美容師が本当に見ているのは、薬ではなく「頭皮」です

「AGAの薬を使っています」と言われると、多くの方は美容師が薬の種類を気にすると思われるようです。でも実は、私たちが確認したいのはそこではありません。

施術の前に、必ず頭皮を見ています

カラーやパーマの前、シャンプー台や鏡の前で、美容師は必ず頭皮の状態を見ています。分け目を指で広げたり、軽く触ったりしているのは、そのためです。

見ているのは、こんなところです。

  • 赤みがないか ─ 炎症が起きていると、薬剤がしみやすくなります
  • かさぶたや傷がないか ─ 掻いた跡があると、そこから刺激が入ります
  • フケの量と質 ─ 乾燥性か脂性かで、頭皮のコンディションがわかります
  • 乾燥していないか ─ かさついていると、バリア機能が落ちています
  • ベタついていないか ─ 皮脂が多いと、薬剤の入り方が変わります

この5つがきれいなら、AGA治療中かどうかに関係なく、ふつうに施術できます。逆にここに問題があれば、治療をしていない方でも見送りをご提案することがあります。

塗り薬を使っている方は、とくに注意して見ています

飲み薬と塗り薬では、美容師から見た注意点がまったく違います。

薬のタイプ頭皮への影響美容師が気をつけること
飲み薬頭皮に直接は触れない通常どおり施術できることがほとんどです
塗り薬頭皮に直接つける乾燥や刺激感が出ていないか、いつもより丁寧に確認します

塗り薬は頭皮に直接つけるものなので、使い続けていると頭皮が乾燥したり、敏感になっている方がいらっしゃいます。そこにカラー剤が触れると、いつもならしみないのにしみる、ということが起こり得ます。

これは薬が悪いという話ではありません。ただ「そういう状態になっていることがある」と美容師が知っているかどうかで、施術の仕方を変えられるんです。

知っていれば、やり方を変えられます 頭皮が敏感だとわかっていれば、根元から少し離してカラー剤を塗る、保護剤を使う、放置時間を短くする、といった対応ができます。何も聞いていないと、いつもどおり施術してしまいます。伝えていただくことに、それだけの意味があります。

「言わなくても見ればわかるのでは」と思われるかもしれませんが

頭皮の赤みや乾燥は、見ればある程度わかります。ただ、その原因までは見てもわかりません。

乾燥しているのがシャンプーのせいなのか、季節のせいなのか、お薬のせいなのか。原因がわかれば対応も変わりますし、「この乾燥はしばらく続きそうだから、次回は施術の間隔をあけましょう」といったご提案もできます。

次の章で、具体的に何を伝えていただければいいかをお話しします。

美容師に、これだけは伝えてください

ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところです。難しいことは要りません。4つだけで十分です。

1
頭皮の治療をしていること 「AGA」という言葉を使う必要はありません。「頭皮のお薬を使っています」でも、「クリニックに通っています」でも伝わります。美容師が知りたいのは病名ではなく、頭皮に何かしているという事実だけです。
2
飲み薬か、塗り薬か これがいちばん大事です。塗り薬なら頭皮に直接触れるので、施術の仕方を変える判断材料になります。飲み薬だけであれば、通常どおり進められることがほとんどです。薬の名前まで言っていただく必要はありません。
3
塗り薬なら、最後に塗ったのはいつか 「今朝塗りました」なのか「昨夜が最後です」なのかで、頭皮の状態はけっこう違います。塗った直後は成分が残っているので、そこに薬剤が重なるのは避けたいところです。
4
過去にしみた経験があるか 「前回のカラーでしみた」「治療を始めてから頭皮がピリピリすることがある」——こうした経験があれば、必ず教えてください。一度しみた方は、また同じことが起きる可能性が高いので、最初から対策して施術します。

言いにくい方へ|そのまま使っていただける伝え方

ここまで読んで、「それでも言いにくい」と思われた方。その気持ちはよくわかります。

髪のことは、多くの方にとってとてもデリケートな悩みです。美容師にだけは知られたくない、と思われるのも自然なことだと思います。

そういう方のために、治療のことに触れずに、必要な情報だけ伝えられる言い方をご用意しました。そのまま使っていただいて大丈夫です。

いちばんシンプルな言い方

「頭皮に塗るお薬を使っているので、しみないか見てもらえますか」

薬に触れたくない場合

「最近ちょっと頭皮が敏感なので、根元を少し離して塗ってもらえますか」

受付やカウンセリングシートに書く場合

「頭皮が敏感/頭皮用の外用薬を使用中」

担当美容師に直接言いづらいとき

予約時の備考欄や、電話で先に伝えておく方法もあります。
「当日、頭皮の相談をしたいです」だけでも構いません。

これで十分です。この一言があるだけで、美容師は塗り方を変えたり、保護剤を用意したり、放置時間を調整したりできます。

美容師の本音を書いておきます 私たちは、お客さまの髪の悩みを毎日見ています。薄毛のご相談も、決して珍しいことではありません。伝えていただいて気まずくなることは、まずありません。むしろ「言ってもらえてよかった」と思っています。何も知らずに施術して、しみさせてしまうことのほうがずっとつらいんです。

逆に、伝えなくていいこと

  • 薬の商品名や成分名 ─ 美容師が判断できることではありません
  • 治療を始めた時期や経過 ─ 話したくなければ必要ありません
  • 費用やクリニック名 ─ まったく関係ありません

必要なのは「塗り薬かどうか」と「頭皮の調子」だけです。それ以上は、話したくなければ話さなくて大丈夫です。

施術当日に、していただきたいこと

当日ちょっと気をつけていただくだけで、頭皮への負担はかなり減らせます。3つだけご紹介します。

塗り薬は、当日の朝は塗らずにお越しください

これがいちばん効果的です。塗った直後の頭皮には、薬の成分が残っています。そこにカラー剤やパーマ剤が重なると、刺激を感じやすくなることがあります。

美容室へ行く日の朝は、いったんお休みしていただくのが安心です。前夜の分は問題ありません。

ただし、自己判断で中断しないでください 1回分を飛ばしていいかどうかは、治療の内容によって違います。必ず事前に主治医の先生にご確認ください。「美容室でカラーをするので、当日の朝は塗らないほうがいいですか」と聞いていただければ、判断していただけます。

前日のシャンプーは、ゴシゴシしないでください

「きれいにしていったほうがいいかな」と、前日に念入りに洗ってくださる方がいらっしゃいます。お気持ちはありがたいのですが、実は逆効果です。

頭皮には皮脂の膜があって、これが薬剤から頭皮を守るクッションになっています。洗いすぎるとこの膜がなくなって、しみやすくなってしまうんです。

前日は、いつもどおりやさしく洗う。爪を立てない。これだけで十分です。当日の朝のシャンプーは、できれば控えていただけると、なお安心です。

施術のあと、いつから薬を再開するか

カラーやパーマの直後は、頭皮が少し敏感になっています。すぐに塗り薬を再開すると、しみることがあります。

目安としては施術当日は避けて、翌日から——とお伝えすることが多いのですが、これも治療によって違います。必ず主治医の先生に確認してください。

美容師からのお願い 施術後、頭皮にひりつきやかゆみが残っているうちは、薬の再開を少し待ってあげてください。そして、症状が翌日以降も続くようなら、迷わず皮膚科か主治医の先生にご相談を。がまんして続けるのがいちばんよくありません。

当日の流れをまとめると

タイミングしていただきたいこと
予約のとき「頭皮の相談をしたい」と伝えておく(任意)
前日シャンプーはやさしく。洗いすぎない
当日の朝塗り薬はお休み(事前に主治医へ確認を)
シャンプーも控えめに
来店時4つのことを美容師に伝える
施術後薬の再開時期は主治医に確認

治療で生えてきた髪は、扱いが変わります

ここからは、美容師だからこそお伝えできる話です。

治療を続けていると、生え際やつむじのあたりに新しく細い毛が出てくることがあります。この毛は、もともと生えている髪とは性質が違うんです。

新しく生えてきた毛は、細くてやわらかい

産毛のような、やわらかくて短い毛。手で触れると、まわりの髪とは明らかに感触が違います。

この毛は、まだ十分に育ちきっていない状態です。髪の芯になる部分が細く、外側を守るキューティクルも薄い。つまり、薬剤の影響を受けやすい髪だということです。

カラーは入りやすく、そして抜けやすい

細い髪は、カラー剤が浸透しやすい性質があります。同じ時間、同じ薬剤で染めても、細い毛のほうが明るく染まります。

生え際やトップだけ色が浮いて見える、思ったより明るくなってしまった——という現象は、ここから起きます。

そして入りやすい髪は、色が抜けるのも早いんです。染めてから2〜3週間で、その部分だけ色が褪せてくることがあります。

パーマは、かかりにくいことがあります

カラーとは逆で、パーマは細い毛にはかかりにくい傾向があります。

パーマはある程度の髪の太さと弾力があって、はじめて形が保てるものです。やわらかすぎる毛は、ロッドを外した瞬間に伸びてしまうことがあります。

「トップにボリュームを出したくてパーマをかけたのに、そこだけかかっていない」というのは、こういう理由です。

だから、来店のたびに髪を見せていただきたいんです

髪の状態は、少しずつ変わっていきます 治療を続けていると、髪の太さも、量も、生え方も変わっていきます。半年前と同じ薬剤・同じ時間で施術すると、仕上がりがずれてしまうことがあります。
だから私たちは、来ていただくたびに髪をさわって、前回との違いを見ています。「なんとなく前と違う気がする」と感じたら、遠慮なく言ってください。それは、髪が変わってきているサインかもしれません。

美容師側が実際にしている調整

  • 薬剤の強さを部分で変える ─ 細い毛の部分だけ弱い薬剤にします
  • 放置時間を短くする ─ 入りやすい部分は早めに流します
  • 塗り分ける ─ 根元と毛先、生え際と後頭部で変えます
  • パーマは弱めにかける ─ かかりにくいからと強くすると、まわりの髪が傷みます

こういった調整は、髪の状態を知らないとできません。だからこそ、伝えていただくことに意味があるんです。

※髪の変化には個人差があります。治療の経過については主治医の先生にご相談ください。

薄毛が目立ちにくいカラーの選び方

「カラーはできますか」と聞かれる方の多くが、本当に知りたいのはこちらだと思います。どんな色にすれば、地肌が目立たないのか。

ここは美容師の専門分野なので、しっかりお伝えします。

真っ黒にすると、かえって地肌が目立ちます

まず、いちばん多い誤解から。「薄いところを隠したいから、黒く染める」——これは逆効果です。

理由はシンプルで、地肌の色が明るいからです。黒い髪と明るい地肌が隣り合うと、明暗の差がいちばん大きくなります。差が大きいほど、髪の隙間はくっきり見えてしまうんです。

白い紙に黒い線を引くと目立ちますよね。それと同じことが頭の上で起きています。

覚えていただきたいのは「明度差」です 髪の明るさと地肌の明るさ。この差が小さいほど、透けて見えにくくなります。色選びの基準は「何色にするか」ではなく「地肌とどれくらい差があるか」です。

では明るくすればいいのか、というとそれも違います

「差を小さくするなら、思いきり明るくすればいい」と思われるかもしれません。でも、明るくしすぎると別の問題が出ます。

  • 明るい髪は光を通すので、1本1本が細く見えます ─ 髪の存在感が薄れます
  • 明るくするほど薬剤の力が必要になります ─ 髪も頭皮も負担が増えます
  • ブリーチを使うと頭皮への刺激が大きくなります ─ 治療中はとくに避けたいところです

目安は、落ち着いたブラウン

実際に施術していて、いちばんバランスがいいと感じるのは6〜8レベルあたりの落ち着いたブラウンです。

明るさ地肌との差髪の見え方頭皮の負担
真っ黒(3〜4)大きいしっかり見える小さい
濃いブラウン(5)やや大きいしっかり見える小さい
ブラウン(6〜8)ちょうどよいほどよいふつう
明るめ(9〜)小さい細く見えやすい大きい
ブリーチとても小さいかなり細く見えるとても大きい

※当サイト美容師による目安です。地肌の色や髪質によって最適な明るさは変わります。

色味は、肌の色に近いほうがなじみます

明るさだけでなく、色味も関係します。

ベージュ系やブラウン系は、地肌の色に近いのでなじみやすいです。反対にアッシュ系やマット系は、赤みを打ち消す色なので、地肌の色とのコントラストがはっきり出ることがあります。

おしゃれ感のあるアッシュは人気ですが、地肌の透けが気になる方には、少し暖かみのある色をおすすめすることが多いです。

ハイライトという手もあります

これは美容室でよく使う方法です。髪の中に細い明るい筋を入れると、髪全体に明暗の模様ができます。その模様に紛れて、地肌の透けが目立ちにくくなるんです。

さらに、ハイライトは頭皮から少し離して入れるため、薬剤が地肌に触れにくいという利点もあります。全体を明るくするより、頭皮への負担は抑えられます。

ただしブリーチを使います ハイライトは多くの場合ブリーチを使うので、髪へのダメージは出ます。細い毛が増えている状態だと、その毛が傷んでしまうこともあります。治療中に検討される場合は、必ず担当の美容師にご相談ください。髪の状態を見て、入れる量や太さを調整する必要があります。

白髪染めをされている方の場合

白髪染めは、おしゃれ染めより暗く入りやすく、リタッチの間隔も短くなりがちです。つまり、頭皮に薬剤が触れる回数が増えるということです。

治療中の方には、こんなご提案をすることがあります。

  • 根元を1〜2mm開けて塗る ─ 頭皮への接触を減らせます。少しプロの技術が要ります
  • 白髪を完全に染めきらない設定にする ─ ぼかす程度にすると、薬剤を弱くできます
  • 間隔を少しあける ─ 3〜4週ごとを、5〜6週ごとに
  • ヘアマニキュアを挟む ─ 頭皮につけない技術なので、間のつなぎに使えます

「白髪も気になるし、薄毛も気になる」という方は本当に多いです。どちらも我慢しなくていいように、担当の美容師と一緒に間隔とやり方を決めていきましょう。

パーマで薄毛はカバーできますか?

「トップがぺたんとするので、パーマでボリュームを出したい」——これもよくいただくご相談です。

ボリュームを出す目的なら、有効です

結論から言うと、パーマは薄毛のカバーに有効です。根元に動きをつけると髪が立ち上がって、地肌が見えにくくなります。

とくに効果的なのは、トップと分け目まわりに部分的にかける方法です。全体にかけるより負担が少なく、いちばん気になるところだけボリュームを出せます。

  • 分け目がぱっくり割れてしまう方 ─ 根元に動きをつけると割れにくくなります
  • トップがつぶれる方 ─ 立ち上がりが出て、シルエットに高さが出ます
  • 毎朝のスタイリングが大変な方 ─ ベースができるので、時間が短くなります

ただし、髪への負担は増えます

いいことばかりではありません。正直にお伝えします。

パーマは、髪の内部の結合をいったん切ってつなぎ直す施術です どうしても髪への負担は出ます。細くなってきた髪には、この負担が大きく響くことがあります。かかりにくいからと薬剤を強くすると、まわりの健康な髪まで傷めてしまいます。

それと、根元にかけるパーマは、薬剤が頭皮に触れやすいという問題があります。塗り薬を使っている方は、ここはとくに慎重に考えたいところです。

かけるなら、この3つを守ってください

1
弱めにかける しっかりかけたい気持ちはわかりますが、細い毛に強い薬剤は禁物です。「少し物足りないくらい」で止めて、スタイリング剤で補うほうが、髪は長持ちします。
2
間隔をあける 最低でも2〜3か月はあけてください。かかりが弱いからとすぐにかけ直すのが、いちばん髪を傷めます。取れてきたら、次はカットで形を変えるという選択もあります。
3
同じ日にカラーと重ねない カラーとパーマを1日でやると、髪にも頭皮にも負担が集中します。できれば1〜2週間はあけていただきたいところです。

パーマをかけずにボリュームを出す方法もあります

髪の状態によっては、パーマをおすすめしないこともあります。その場合は、こちらでカバーできます。

  • カットで立ち上がりやすくする ─ 重さを取るだけで、根元は起きやすくなります
  • ドライヤーの乾かし方を変える ─ 根元を起こしながら乾かすだけで、かなり違います
  • スタイリング剤を変える ─ 油分の少ないタイプにすると、髪が倒れにくくなります

とくに最後のスタイリング剤は、すぐにできて効果が大きい方法です。油分の多いワックスは、細い髪を重みで倒してしまいます。ツヤを抑えたタイプに変えるだけで、立ち上がりがずいぶん変わります。

こういうときは、施術を見送ってください

できることばかりお伝えしてきましたが、やめておいたほうがいいときもあります。ここは正直に書いておきます。

頭皮に赤み・かさぶた・強いかゆみがあるとき

これはいちばんはっきりした基準です。頭皮が荒れているときに薬剤をのせると、しみるだけでなく、症状が長引くことがあります。

「今日はどうしても染めたい」というお気持ちはわかります。でも、無理をして頭皮を痛めてしまうと、次の施術もできなくなります。1〜2週間あけて、頭皮が落ち着いてからのほうが、結果的に早いです。

治療を始めて間もない時期

治療を始めてしばらくは、頭皮の状態が安定しないことがあります。塗り薬に慣れていない時期は、乾燥したり敏感になったりしやすいものです。

それと、治療の初期に一時的に抜け毛が増えたように感じる方がいらっしゃいます。その時期に施術をすると、「カラーのせいで抜けた」と感じてしまって、不安が大きくなりがちです。

気持ちの面でも、頭皮と髪が落ち着いてから施術されるほうが、安心して楽しめると思います。時期については主治医の先生にご相談ください。

前回しみた記憶が新しいとき

一度しみた経験があると、頭皮がまだ回復しきっていない可能性があります。前回から日が浅い場合は、少し間をあけてください。

次に施術されるときは、必ずその経験を美容師に伝えてくださいね。対策したうえで進められます。

縮毛矯正を考えている方へ

縮毛矯正は、いちばん負担の大きい施術です 強い薬剤に加えて、アイロンの熱も使います。髪にも頭皮にも、カラーやパーマより大きな負担がかかります。
できないとは言いませんが、治療中の方には、まず担当美容師とよく相談してからにしていただきたい施術です。頭皮の状態によっては、お断りすることもあります。

迷ったときの判断のしかた

頭皮の状態判断
きれい・トラブルなし通常どおり施術できます
少し乾燥している美容師に伝えて、塗り方を調整してもらいましょう
赤みがある美容師に見てもらい、その場で判断を
かさぶた・傷があるその日は見送ってください
強いかゆみが続く施術より先に、皮膚科か主治医へ
かゆみ・赤み・湿疹が続くときは、受診してください 頭皮のトラブルは、原因がひとつとは限りません。お薬が合っていない可能性もあれば、まったく別の皮膚の病気のこともあります。自己判断せず、皮膚科または主治医の先生にご相談ください。美容師は頭皮の状態を見ることはできますが、診断はできません。

これから治療を始めようか迷っている方へ

ここまでは治療中の方に向けて書いてきました。最後に、これから始めようか迷っている方にもお伝えしたいことがあります。

カラーやパーマを理由に、治療をためらわないでください

「治療を始めたら、おしゃれができなくなるんじゃないか」——そう思って踏み出せずにいる方が、実はけっこういらっしゃいます。

この記事を読んでいただいたとおり、治療をしていてもカラーもパーマもできます。気をつけることはありますが、我慢しなければいけないものではありません。

美容師として見ていて思うのは、迷っている時間がいちばんもったいないということです。悩みながら過ごす時間は、なかなか戻ってきません。

通院が難しい方には、オンライン診療という選択肢もあります

「クリニックに行くのが気まずい」「平日は仕事で時間が取れない」という理由で、受診をためらわれる方も多いですよね。

最近は、自宅からビデオ通話で診察を受けて、薬を配送してもらえるオンライン診療もあります。通院の負担がないぶん、始めやすいと感じる方もいらっしゃいます。

ただし、オンラインにも向き不向きがあります。頭皮を直接見てもらいたい方や、対面で相談したい方には、通院のほうが合っていることもあります。

薄毛の治療について、美容室でできることとクリニックでできることの違いを、別の記事で詳しくまとめています。よろしければあわせてご覧ください。

美容師からひとこと 私たちにできるのは、いまある髪をきれいに見せることです。髪を増やすことはできません。そこはクリニックの領域です。
どちらが上ということではなく、役割が違うだけ。両方をうまく使っていただくのが、いちばん近道だと思っています。

よくある質問

Q. 白髪染めもできますか?

A. できます。ただし白髪染めは暗く入りやすく、リタッチの間隔も短くなりがちなので、頭皮に薬剤が触れる回数が増えます。根元を1〜2mm開けて塗る、間隔を少しあける、ヘアマニキュアを挟むといった方法で負担を減らせます。担当の美容師にご相談ください。

Q. ブリーチやハイトーンカラーはやめたほうがいいですか?

A. できないわけではありませんが、頭皮への刺激がいちばん大きい施術です。治療中の方にはおすすめしていません。どうしても明るくしたい場合は、頭皮から離して入れるハイライトのほうが負担は少なくて済みます。

Q. ヘッドスパは受けてもいいですか?

A. 頭皮にトラブルがなければ、受けていただけます。スタイリング剤や皮脂の汚れを落とすのは、頭皮環境を整えるうえで悪いことではありません。ただし、頭皮に赤みや傷があるときは避けてください。塗り薬を使っている方は、その日の朝は塗らずにお越しいただくと安心です。

Q. 美容師に伝えたら、態度が変わりませんか?

A. 変わりません。髪や頭皮のお悩みは、私たちが毎日向き合っていることです。薄毛のご相談も、まったく珍しいことではありません。むしろ伝えていただいたほうが、こちらも安心して施術できます。それでも気になる場合は、「頭皮が敏感で」とだけ伝えていただければ十分です。

Q. 治療を始めてから、髪が扱いにくくなった気がします

A. 新しく生えてきた細い毛が増えると、まとまり方が変わることがあります。いままでのスタイリング剤が合わなくなっている可能性もあります。油分の少ないタイプに変えると、扱いやすくなることが多いです。次の来店時に、美容師に髪を見てもらってください。

Q. カラーの前に、主治医に確認したほうがいいですか?

A. 確認していただくのがいちばん安心です。とくに「施術当日は塗り薬を休んでいいか」「施術後いつから再開していいか」は、治療の内容によって答えが変わります。診察のときに「美容室でカラーをしたいのですが」と一言聞いていただければ、判断していただけます。

まとめ|遠慮せず、伝えてください

AGA治療中でも、カラーもパーマもできます。治療を理由に、おしゃれを我慢する必要はありません。

大切なのは、頭皮の状態を美容師と共有することだけです。薬の名前も、治療の経過も、話したくなければ話さなくて大丈夫。必要なのは「塗り薬かどうか」と「頭皮の調子」の2つです。

それさえ伝えていただければ、塗り方を変えたり、薬剤を調整したり、私たちにできることはたくさんあります。

この記事のポイント

  • カラーもパーマもできます ─ 治療の妨げにはなりません
  • 美容師が見ているのは薬ではなく頭皮 ─ 赤み・かさぶた・乾燥を確認しています
  • 伝えるのは4つだけ ─ 治療中であること/飲み薬か塗り薬か/最後に塗った時期/しみた経験
  • 当日の朝は塗り薬をお休み ─ ただし主治医に確認してから
  • 真っ黒は逆効果 ─ 地肌との明度差が大きいと、かえって透けて見えます
  • 目安は落ち着いたブラウン ─ 6〜8レベルあたりがバランスよくまとまります
  • 頭皮が荒れている日は見送る ─ 1〜2週間あければ、また楽しめます

最後に

髪のことを人に打ち明けるのは、勇気がいることだと思います。美容師に言うのは、とくに気が重いかもしれません。

でも、私たちは味方です。お客さまがきれいになるために、できることを探すのが仕事です。治療をされていると知ったからといって、見る目が変わることはありません。

次に美容室へ行かれるとき、鏡の前で一言だけ言ってみてください。「頭皮のお薬を使っているので、しみないか見てもらえますか」。それだけで、その日の施術はきっと変わります。

髪のおしゃれも、治療も、どちらも諦めなくていいものです。この記事が、その助けになればうれしいです。

※本記事は美容師として施術する立場から書いています。治療の内容や薬に関する判断は、必ず主治医の先生にご相談ください。頭皮に赤み・かゆみ・湿疹などの症状が続く場合は、皮膚科を受診してください。
※感じ方や髪の変化には個人差があります。

この記事について

美容師としての現場経験と、実際に使ってみた体験をもとに書いています。良い点だけでなく、惜しい点や合わない方についても正直にお伝えしています。

読みやすく整えるためにAIを補助的に使っていますが、内容の確認と最終的な判断は人が行っています。

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