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朝きれいにセットしても、夕方には毛束がぺたんと落ちてしまう。かといって、ガチガチに固めた不自然な質感にはしたくない。そんなときに候補に挙がるのが、阪本高生堂のファイバーグリース2008です。
この記事では、美容師として毎日お客様の髪に触れている私が、全成分とメーカー表記をもとに、この商品が合う人と合わない人を正直にお伝えします。
先にお伝えすると、ファイバーグリース2008は万人向けではありません。得意なことがはっきりしている分、選ぶ人を選びます。
- 固めずに、自然な毛束感とツヤを出したい方
- ショート〜ミディアムで、毛先に動きをつけたい方
- パーマスタイルの質感を引き出したい方
- シャンプーで落としやすいスタイリング剤を探している方
- 甘めのフルーツ系の香りが苦手でない方
- ベリーショートで、前髪やトップをしっかり立ち上げたい方
- 毛量が多く硬い髪を、しっかり押さえ込みたい方
- 汗をかく環境や雨の日に、朝から夜まで崩したくない方
- 無香料・微香料がいい方
- マットな質感(ツヤなし)に仕上げたい方
当てはまる項目が多い方は、後半で紹介する別タイプのほうが失敗しにくいと思います。
まずは小さいサイズで質感を試してみるのが安心です。87gなら使い切りやすく、合わなかったときの負担も小さく済みます。
ファイバーグリース2008の基本スペック
まず、どんな商品なのかを整理します。ここを押さえておくと、後の「合う・合わない」が理解しやすくなります。
| 商品名 | ファイバーグリース2008 |
|---|---|
| メーカー | 阪本高生堂(ファイン化粧品) |
| タイプ | 水溶性グリース(ポマード) |
| メーカーの説明 | 「新感覚・糸引く水溶性ポマード」 |
| セット力の表記 | ☆☆☆(販売店表記)。固めるより動きを出すタイプ |
| ツヤ | 光沢成分配合。ウェットすぎない上品なツヤ |
| 香り | みずみずしく甘いトロピカルフルーツの香り |
| 容量 | 30g/87g/210g |
| 参考価格 | 87g 1,100〜1,200円前後/210g 1,800〜1,870円前後 |
| 全成分 | PEG-40水添ヒマシ油、ステアレス-40、グリセリン、酸化チタン、マイカ、ポリアクリル酸Na、メチルパラベン |
出典:阪本高生堂 公式サイト、ビューティガレージ商品ページ(2026年9月21日確認)。価格は販売サイトにより表記が異なり、実売価格は店舗・時期で変動します。
ポイントは「水溶性」と「ファイバー(糸を引くテクスチャ)」の2つです。この2つが、そのまま長所にも短所にもなります。次の章から順番に見ていきます。

美容師が見たファイバーグリース2008の良いところ3つ
1. 固めずに「毛束」が作れる
この商品の一番の個性は、指で伸ばすと糸を引くテクスチャです。全成分を見ると、ポリアクリル酸Naという、粘度を出して薄い膜をつくる成分が入っています。この膜が髪同士をゆるくつなぐので、ハードスプレーのように固めなくても毛束がまとまります。
サロンでも、束感は欲しいけれど「触ってバリバリ」は嫌だという方は本当に多いです。手ぐしを通したときに、ほどよく崩れてまた直せる。この「直せる」感覚は、朝の時間が短い方ほどありがたいはずです。
2. ツヤの出方が上品
成分の中に酸化チタンとマイカが入っています。どちらも光を反射させる粉体で、ファンデーションやアイシャドウにも使われるものです。油分でベタッと濡らしたツヤではなく、光を返して見せるタイプのツヤなので、ウェット感が強すぎません。
油性のポマードは、ツヤは出ますが重さも一緒に出ます。粉体でツヤを見せるタイプは、軽さを残したままツヤが出るのが利点です。バーバースタイルほどかっちりさせず、今っぽい質感にしたいときに扱いやすい設計だと感じます。
3. シャンプーで落としやすい
全成分の一番最初がPEG-40水添ヒマシ油です。これは水になじむ性質を持つ成分で、つまり「水溶性」であることを示しています。昔ながらの油性ポマードのように、何度洗ってもぬるつきが残るということが起きにくいタイプです。
スタイリング剤が頭皮に残ったままだと、かゆみやにおいの原因になることがあります。落としやすさは、地味ですが毎日使うものほど効いてくる要素です。
正直に言う、惜しいところと向かない人
ここからは、買ってから「思っていたのと違った」とならないように、気になる点もそのままお伝えします。
1. キープ力は控えめ。立ち上げには力不足
販売店の表記でもセット力は☆☆☆で、メーカーの説明も「固めることなく毛先に動きをつける」という方向です。つまり、重力に逆らってトップや前髪を立ち上げ続ける用途は想定されていません。
ベリーショートでトップを立てたい方、いわゆるトサカ状のスタイルを一日保ちたい方には、単体では力が足りません。その場合は、同じ阪本高生堂のクックグリースXXXのようなハードタイプを選ぶか、仕上げにスプレーを重ねる前提で考えてください。
2. 水溶性は「落としやすい」の裏返しでもある
水になじむということは、汗や雨にも反応しやすいということです。屋外の仕事、スポーツ、梅雨の時期などは、油性タイプに比べて崩れやすさを感じる場面があると思います。
落としやすさと崩れにくさは、基本的に両立しません。自分がどちらを優先したいかで選ぶのが、いちばん失敗が少ない考え方です。
3. 香りは甘め。好みが分かれる
みずみずしく甘いトロピカルフルーツの香りです。爽やかで好きという方も多い一方、職場によっては気になることもあります。香りが強めの整髪料が苦手な方、香水を併用する方は、少量から試すほうが安心です。
4. 細い髪・やわらかい髪はつけすぎに注意
グリース系は、髪が細い方やボリュームが出にくい方がたっぷりつけると、重みでぺたんと落ちてしまいます。これは商品の欠点というより、量の問題です。
細毛・軟毛の方は、後ほど紹介する「少なめから始める」使い方を必ず守ってください。逆に、ある程度毛量があって硬い髪の方は、量を増やすとベタついてくるわりに押さえ込めない、という状態になりやすいです。

クールグリースとの違いは?シリーズ内での立ち位置
阪本高生堂のグリースは種類が多く、店頭で迷いやすいところです。同じメーカーの主なラインナップと比べると、ファイバーグリース2008の位置づけがはっきりします。
| 商品 | セット力 | ツヤ | こんな方に |
|---|---|---|---|
| ファイバーグリース2008 | 控えめ | あり | 固めずに毛束と動きを出したい方 |
| クールグリースG | 標準 | あり | ツヤとセットのバランス重視。定番から入りたい方 |
| クールグリースXX | 強め | あり | длительно形をキープしたい方 |
| クックグリースXXX | かなり強い | あり | しっかり立ち上げたい方、硬い髪の方 |
| クールグリースGフラット | 標準 | 控えめ | ツヤを抑えた質感にしたい方 |
出典:阪本高生堂 公式サイトの製品紹介、各販売店の商品ページ(2026年9月21日確認)。セット力の強弱はメーカー表記と製品説明をもとにした当サイトの整理です。
こうして並べると分かりやすいと思います。ファイバーグリース2008は、シリーズの中でいちばん「やわらかく動かす」方向に振った一本です。なお、公式サイトの現行ラインナップでは、ファイバー配合タイプはクールグリースFとして紹介されています。同じ系統の商品なので、店頭で見つからないときはそちらも確認してみてください。
グリースが初めてで、どれか1つだけ選ぶならクールグリースGが無難です。そのうえで「もう少し軽く、動かしたい」と感じたらファイバーグリース2008、「もっとしっかり固めたい」ならクックグリースXXXへ。この順で考えると失敗しにくくなります。
失敗しない使い方と落とし方
グリースは、使い方で仕上がりがまったく変わります。サロンでお伝えしている基本をまとめます。
使う量の目安
- ショート・細い髪:パール1粒分から
- ショート・普通〜硬い髪:パール1〜2粒分
- ミディアム:パール2粒分程度
足りなければ足せますが、つけすぎたものは減らせません。必ず少なめから始めてください。これが一番多い失敗です。
つけ方の手順
- 髪をしっかり乾かします。濡れた髪につけると伸びが悪く、ムラになります
- 手のひら全体に、透明になるまで薄く伸ばします
- 後頭部から、髪の内側・根元寄りになじませます
- 前髪は最後に、手に残った分だけでつけます
- 指先で毛束をつまみ、動かしたい方向に整えます
前髪から先につけると、そこだけ重くなって割れやすくなります。「後ろから、内側から、前髪は最後」と覚えておいてください。
落とし方
水溶性なので、基本はふつうのシャンプーで落ちます。ただし、つけた量が多い日は次の手順にすると残りにくくなります。
- シャンプー前に、ぬるま湯で1分ほどしっかり流します
- シャンプーは手のひらで泡立ててから髪にのせます
- 指の腹で頭皮を洗い、流し残しがないよう十分にすすぎます
それでもぬるつきが残る感じがある日だけ、2回洗えば十分です。毎日2回洗う必要はありません。頭皮の乾燥やかゆみが続く場合は、自己判断で洗浄力の強いものに変えず、皮膚科で相談してみてください。

口コミは意外と少ない。だから成分で見極める
正直にお伝えすると、ファイバーグリース2008は大手口コミサイトでの投稿件数がとても少ない商品です。たとえば@cosmeでは、確認時点で口コミが1件のみでした。
件数が少ない口コミを「みんなが高評価」とまとめてしまうのは、あまり誠実ではないと思っています。ですので、この記事ではメーカーの公式表記と全成分から読み取れることを中心にお伝えしました。
判断材料をもう一度整理すると、次のとおりです。
- ポリアクリル酸Na配合で、糸を引き毛束を作りやすい
- 酸化チタン・マイカで、重さの出にくいツヤが出る
- PEG-40水添ヒマシ油ベースで水溶性。落としやすい反面、汗や雨には弱い
- メーカー表記のセット力は控えめ。立ち上げ用途ではない
出典:@cosme 商品ページ、阪本高生堂 公式サイト、ビューティガレージ商品ページ(2026年9月21日確認)
よくある質問
女性が使っても大丈夫ですか?
問題ありません。ショートボブの毛先に動きを出したいときや、ウェットな質感を作りたいときに使えます。ただし量は少なめに。ロングヘア全体に使うものではなく、毛先や襟足のポイント使いが向いています。
パーマやくせ毛にも使えますか?
パーマスタイルとは相性がいいタイプです。束感が出せるので、カールの動きをはっきり見せられます。一方、広がりの強いくせ毛を抑え込む力はないので、収まり重視ならオイルやバームのほうが向いています。
どのサイズを買えばいいですか?
初めてなら87gがおすすめです。30gは持ち運び用としては便利ですが、毎日使うとすぐなくなります。気に入って使い続けられそうなら、210gに切り替えるとグラム単価が下がります。
ドンキやロフトで買えますか?
阪本高生堂のグリースはバラエティショップや一部のドラッグストアでも扱いがありますが、ファイバータイプは店舗によって在庫が分かれます。確実に手に入れたい場合は、通販のほうが探す手間がかかりません。
ワックスと併用できますか?
できます。グリースでツヤと束感を作り、根元の立ち上げだけワックスやスプレーで補う、という組み合わせは実際によく使われます。ただし合計量が増えるとベタつくので、それぞれ半分ずつの量から試してください。
まとめ:やわらかい束感が欲しい人の一本
ファイバーグリース2008は、固めずに毛束とツヤを出したい方に向いた、やわらかい仕上がりのグリースです。水溶性で落としやすく、毎日使うものとして扱いやすい設計になっています。
反対に、しっかり立ち上げたい方、汗や雨の中でも一日崩したくない方には力が足りません。その場合は同じシリーズのハードタイプを選んだほうが、結果的に満足できるはずです。
選ぶときの基準はひとつだけ。「固めたいのか、動かしたいのか」です。動かしたい方なら、試してみる価値のある一本だと思います。
毎日使うことが決まっている方や、家族で共有する方は、大容量の210gのほうがグラム単価を抑えられます。





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